2012年4月22日日曜日

DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー・ブログ


幸福を測る指標と政策

4月16日、経団連の研究機関である21世紀政策研究所は、「グローバルJAPAN ―2050年 シミュレーションと総合戦略」というリポートを発表しました。これによると、2050年の日本は先進国から転落する(日本のGDP〔国内総生産〕はインドに抜かれ、日本の存在感は著しく低下する)可能性があり、いままさに我々は危機に面しているといいます。

日本が中国に抜かれたときもそうでしたが、このGDPの世界ランクの低下に、私たちは強く危機感を覚える傾向があります。それは、長年、国家の成功の尺度として、GDP(かつてはGNP〔国民総生産〕)が用いられてきたこと、そして戦後の日本においては、経済成長が国民の幸福感を満たすという考えが根強いためでしょう。

そんな中、この世界第一の経済指標であるGDPに対して批判が高まりつつあります。今号の「幸福の経済学」は以下の三つの批判を掲げ、国力を測る別の基準の必要性を述べ提示しています。
(1)GDPはそれ自体欠陥のある指標である
(2)持続可能性や持続性を考慮に入れていない
(3)進歩と開発の測定には、別の指標のほうが優れている場合がある

では、GDPではない、別の指標とは何か。論稿は、ブータンでおなじみの国民総幸福量など、いくつかの指標を紹介しています。中でも多くのページを割いているのは、HDI(人間開発指数)というものです。これは、国連機関の一つ、UNDP(国連開発計画)が提唱する指標で、生活の質に関する三つの基本的要素「健康・寿命」「教育」「所得」をもとに数値を算出します。HDIを用いると、2011年の世界ランク1位はノルウェーで、GDPトップのアメリカは4位(国内の不平等の程度を加味した調整ランキングでは23位)になります。日本は10位内にはランクインできませんでしたが、リポートによると12位につけているようです。

ただし、何をもって幸福を感じるのかというと、それは人それぞれであります。HDIに対しても、先に述べた三つの要素でよいのかという意見もあるでしょう。そこで、UNDPのサイトには、 DIY HDI: Build Your Own Index という、自分自身で基準を定め、ランキングを作成するページも用意されています。論稿では触れていませんが、所得や教育では上位に食い込めない日本でも、基準を「健康・寿命」のみに設定すると、世界第1位になります。「長生きできる社会」という観点では、日本は最高の国なのです(私たち日本人は超高齢社会という課題解決に頭を悩ませているのですが……)。この論稿を読むと何が幸福か不幸か、絶対的な基準はないことを改めて知らされます。東洋には、「塞翁が馬」という言葉があり、西洋(新約聖書)には、「悲しむ人々は、幸いである」という言葉があります。どんなひどい状況に置かれても、幸いはどこにでもあるものです。

最後に一つ。この論稿はGDPへの批判を載せていますが、GDPを全面的に否定しているわけではありませんし、今でもGDPはマクロ的な経済政策を推し進めていく上で、なくてはならない指標であることに変わりはありません。もちろん、日本が先進国から脱落しないように、国家を挙げて手を打つことは欠かせないことです。そのうえで申し上げるなら、この論稿が示すように、GDPの代替案に関する議論が進めば、今後新しい指標が経済政策に少なからず影響を及ぼすことも考えられます。

ただし、先に触れた通り、基準により国力や幸福度の測り方は大きく異なります。その中で、今後の変化に備えるには、この論稿で示すさまざまな指標とその考え方を知っておくことが必要なのは言うまでもありません。さらに考えるなら、基準によっては日本も繁栄の上位国であることに目を向け、日本の良さを活用してビジネスの機会を見出すといった前向きな生き方が、意外と成功の近道の一つになるような気がします。(編集部)
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▽今号(2012年5月号:4月10日発売号)「幸福の戦略」の詳細とご購入はこちら

最後の巨大市場を狙う

企業の多国籍化が進む中、新興国は従来の生産拠点としての役割だけでなく、その人口の多さや成長率の伸びから、消費国(次に狙うべき市場)として、期待が寄せられるようになりました。ただし、新興国というと、主に中国やインドのBRICsやそれに次ぐNEXT11(インドネシア、エジプト、韓国、トルコなど11カ国)などを指します。その中、先見の明のある企業では、これらのさらに次の国々に焦点をあてた動きが出ています。

では、「その次」とはどこを指すのでしょうか。それは、アフリカ大陸です。今号の巻頭論文「最後の巨大市場 アフリカの攻略法」は、グローバル企業が熱い視線を向ける先、アフリカ大陸についてまとめたものです。
「本当に、アフリカの時代は到来したのか」
コンサルティング・ファームのマッキンゼー・アンド・カンパニーが独自に調査した結果をもとに、アフリカ市場の現状と攻略方法を提示しています。中国やインド市場に関するリポートは頻繁に目にするようになりましたが、アフリカについて本格的に調査し、詳細に報告している論稿はまだそう多くはありません。そうした意味でも、今回のリポートは貴重なものだといえます。

今回、このブログでは、その調査結果の一部をお伝えしましょう。おそらく、読者が抱く第一の関心ごとは、成長率と政治情勢などのリスクに関する正確な状況ではないでしょうか。まず、成長率から述べると、アフリカは2000年以降に急加速し、リーマンショックによって世界全体が景気後退にある現在でも、その伸びを持続させています。複利年率(2000年~2010年)でいうと、すでに東ヨーロッパやラテンアメリカを抜いており、世界第3位になっています。さらに、今後も成長が見込まれ、2020年には、アフリカの消費はロシアを追い抜くほどにまで増大すると報告しています。この成長市場をグローバル企業が狙わないはずがありません。すでに基盤づくりを始めている企業の名に、ノキアやザ・コカ・コーラ・カンパニー、ユニリ� �バ、ネスレなどが連なっています。

他方、魅力的な成長率とはうらはらに、心配事はリスクの大きさです。アフリカは、政治的な不安定や優秀な人材不足、インフラの未整備などの不安材料が先立ちます。ただし、注意が必要なのは、地域によってその性質(成長率も含めて)が異なることです。そこで、この論稿では、経済の発展段階ごとにアフリカを次の4つに区分して論じています。

(1)経済が多様化している国(南アフリカ、チュニジアなど)
  アフリカ諸国の中で経済が最も発展している国。
(2)石油輸出国(アルジェリア、アンゴラ、ナイジェリアなど)
  石油・ガス輸出国。  一人あたりの所得は相対的に高いが、
  経済の多様性という点では後れをとっている。
(3)移行経済国(ガーナ、ケニア、ウガンダなど)
  一人あたりの所得は(1)(2)ほど高くないが、
  急成長を遂げている。
(4)移行前経済国(エチオピア、コンゴ民主共和国など)
  GDPが低く、貧しい国。
  ただし、中には急成長を遂げている国もある。

論稿では、それぞれのクラスターごとに、どのように対処したらいいか、攻略方法をわかりやすく述べています。とくに、(4)移行前経済国に対しては「注視する必要はあるものの、あらゆるリスクに備えを固めていない限り、進出は控えるべきである」といった具体的なアドバイスが明示されています。

この4つのうち、(1)の「経済が多様化している国」は、政治的なリスクはあるものの、一人あたりの所得は相対的に高く、GDPも安定的に伸びています。とはいえ、進出すれば必ず成功するというものでもありません。そこで、論稿ではより細かな視点が必要だとして、成功を導く4つの要素、「的確な進出戦略の策定」「顧客へのアクセス」「スキル格差の是正」「リスク管理」を掲げ、具体的な方法にもわずかですが触れています。


顧客関係の人は何をするのでしょうか?

この先、世界で何が起こるか予想するのは難しいものがありますが、中国が大きく成長したのと同じように、アフリカ大陸の国々が急成長する可能性は少なくありません。今のうちから、アフリカの国ごとに、どんなリスクがあるのか、また何を注意すべきなのかを知り、備えておくことは大企業のみならず、中小企業もグローバル化が進む現在に、必要なことの一つだといえます。(編集部)
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幸福感を左右するものは何か

ハーバード・ビジネススクールの戦略研究科のシンシア・モンゴメリー教授(「リソース・ベースト・ビュー」などで知られる)は、「戦略の核心」という論文で、「若者に40歳までの目的を尋ねると、その答えは『何々を得たい』『何々になりたい』という二つに大別される」と述べています。論文では、この事実を用いて、戦略とは何か、戦略策定のあり方に話を繋げていくのですが、ここでは見方を変えて、この若者の目的を、次号の特集である「幸福」に結び付けて考えてみましょう。

なぜ、若者は「得たい(富)」「なりたい(地位)」という目的を掲げるのでしょうか。それは、これらを達成することで幸福になれると考えているからにほかなりません。たしかに、昇進する、試験に受かるといった「よいこと」が起こればうれしい気持ちになります。将来は、権力者あるいは大金持ちになって、自家用ジェット機を手に入れたり、有名人と知り合いになったり、何かの賞を受賞したり、このような富と社会的に高い地位を手に入れることで、たくさんの人が自分に興味を持ってくれたら、それは幸せに違いありません。

とはいえ、まわりを見渡すと、たいしてお金も社会的地位もないのに、いつでも幸せそうに笑みを浮かべて暮らしている人もいます。本当に、「大きなよいこと」が人を幸せにするものなのでしょうか。次号の「幸福の心理学」というインタビューで、こうした疑問に答えているのはハーバード大学の心理学部の教授であるダニエル・ギルバートです。彼は、『幸せはいつもちょっと先にある』というベストセラーの著者でもあり、アメリカでは人気の心理学者です。日本でも、大和證券のCMに登場したので、見覚えのある方もいるのではないでしょうか。インタビューに答えて、「幸せである」という主観データを科学的なアプローチにより分析し、何が幸福感を左右するかを明らかにしています。

インタビューでの結論を言うなら、先に挙げた「大きなよいこと」は、その瞬間には強い幸福感が得られるに違いありませんが、その効果は長続きしないことが多いのです。では、何が幸福感に影響を与えるのか。それは、意外にも些細な出来事の積み重ねだといいます。毎日、小さなよいことが十数回起こる人は、驚くほど素晴らしいことが一回だけ起こる人よりも幸せである可能性が高いのです。

つまり、私たちは、仕事で成功することや高い地位を得る、あるいは結婚相手を見つけ、子どもを授かること、さらには新しい家を買うことなどが幸せになるための条件だと思いがちですが、これらを手に入れなくても、たとえ、はたから見たら不幸そうに見える人でさえ、平等に幸せになる機会はあるということです。論文では、どのようなことが、さらにはどのような心の状態(集中しているのか、さまよっているのか)が、幸福感を左右するのか詳細に解説しています。

これまでの心理学では、「一般的に、健康な人はそうでない人よりも幸せ、金持ちは貧乏人よりも幸せ」といった研究結果を示し、私たちもそのような調査結果を目にするたびに納得してきました。なぜ、最近、これまでの常識を覆すような結果が表れたのでしょうか。そこには、心理学の研究方法の進歩があります。旧来は単純なアンケート調査に頼っていましたが、テクノロジーの発展によりスマートフォンを活用した調査方法が可能になったことなど、インタビューでは心理学の研究手法の変化に触れています。これは心理学以外の分野、たとえばマーケティング調査などにも応用できる部分もありますので興味のある方はぜひご覧ください。

また、このインタビューでは、心の状態と仕事の生産性の関係についても、わずかばかり触れています。この先、企業にとって、従業員の幸福感と生産性の向上を考えていくことがますます重要になっていくでしょう。加えて、先に述べた通り、個人が幸せになるには、日々の目の前にある小さな幸せの積み重ねが大切だといいます。ということは、従来のような「事業の成功⇒昇進⇒富と地位を得る」といった「大きなよいこと」をもとにした動機づけの効果が薄まっていく可能性も少なくありません。

今後、個人と企業、それぞれ別の論理が働く中で、どうやって全体最適を図るのか。実現には、企業は従業員が働く意味を見出せるように、今とは違った環境を整える必要も出てくるでしょう。このインタビューは心理学の立場から幸せを感じることについて述べたものではありますが、マネジメントの要素として、どのようにして「幸福」を応用していくか、考える機会にもなるのではないでしょうか。(編集部)
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▽次号の発売は4月10日の予定です。
▽今号(2012年4月号)「絆(エンゲージメント)の経営 現場を結束させる力」の詳細とご購入はこちら

(追記)
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編集長交替のお知らせ

『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』の読者のみなさま、そして本ブログを閲覧いただいているみなさまにご報告がございます。私こと岩崎卓也は、4月10日発売の5月号を持ちまして、その職を降りることにいたしました。2010年9月、病気により休職いたしましたが、3か月後に復職し、読者のみなさまにこれまで以上の内容と質をお届けしようと励んでまいりました。

しかし、ついにドクター・ストップがかかり、かような決断を下すことにいたしました。思い返せば、HBRの名刺をわたされて24年が経ち、その間、足かけ15年間――その間、2色刷りから4色刷りへ、隔月刊から月刊に、90年以上続いてきたロゴの変更などがありました――この雑誌の編集責任者を務めてまいりした。また昨年秋には、創刊35周年を迎えることができました。まさしくみなさまのご支援におかげであります。この場を借りて、深く御礼申し上げます。

後任は、以前本誌編集部に在籍していた岩佐文夫が務めます。今後とも他誌では読めない『DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー』誌のコンテンツにご注目いただければ幸甚です。
岩崎卓也拝

成功と幸福の意味

「人間が達成しうるあらゆる善のうちの最上のものが幸福である」
これは、アリストテレスの善と幸福に関する論をもとに、一文にまとめたものです。
「何が幸福か」
この問いに対して、私たち人間は答えを探し続けてきました。ただし、お気づきのように、アリストテレスが語る「幸福」と私たちが日常で用いる「幸福」という言葉の間には、わずかながらの隔たりがあります。

次号は「幸福」をテーマに特集を組みました。タイトルは「幸福の戦略」です。先に申し上げた通り、人や時代、あるいは文化圏によって「幸福」の意味は異なります。次号では、心理学、経済学、歴史、マネジメントなどのさまざまな視点から「幸福」にアプローチし、幸福に関する指標の提示や、意外にも多い、幸福のステレオタイプの誤りを示しています。


peroldは何ですか

今回、このブログでは、その中の「幸福の歴史」という論稿を紹介しましょう。ここで指摘するのは、幸福の表現方法におけるステレオタイプの誤りです。
「幸せな気持ちになると笑顔になる」
私たちにとって、幸福と笑顔は切り離せないものでありますが、これはアメリカ、あるいはアメリカに影響を受けた文化圏で顕著な表現のようです。
「笑ってばかりいるのはバカか、アメリカ人である」
これはロシアの言葉ですが、ロシア人はたとえ幸せでも笑わない人が多くいるといいます。

もちろん、この論稿はロシア人を非難するためにこの事例を用いたのではありません。西洋でも、ほんの二、三百年前まで、「笑う」ことが正当な行いではないとされた時代があったといいます。なぜ、笑わないのか。論稿では幸福の歴史をひも解きながら、その理由を探っていきます。

18世紀まで、西洋では慎み深い態度や悲しげな振る舞いがよいとされた理由は何か。結論を言えば、古代キリスト教の考えが強く影響していたからです。当時は、原罪(生まれながらに背負っている罪)が概念として現代よりも強くあり、それゆえ「罪深き人間が神のご加護を得るには、いくぶん悲哀に満ちた振る舞いをする、禁欲に身を置く者でなければならない」と考えられました(当然のこととして、喜びや快楽を享受する者は望ましくないとなります)。

ところが、18世紀になるとこの考えに変化が表れます。啓蒙思想が席巻し、聖書や教会の権威ではなく、人間の理性で世界を理解しようとする動きが浸透します。そして、幸福を希求することが正当な行いだとされるようになり、不幸は忌み嫌われるようにもなりました。加えて、啓蒙思想だけでなく、歯科治療技術の進歩(それまでは歯が欠けているのを隠すため口を開けて笑えなかった)や、今でいう自己啓発本の広まりなども人々に影響を与えたといいます。

この論稿から、笑顔が幸福の表現方法として切り離せないと考えられたのは、ここ二百年程度のことであり、一部の文化圏での常識に過ぎないということがわかります。そして、この表現方法は、今後も変わっていく可能性が十分考えられます。また、何が幸福か、その定義も変わっていくでしょう。

ただ、「幸福」の特集を通して、一つ言えるのは、人はずっと不幸ではないということです。悲しみの中にあっても、ずっと沈んでいるわけではなく、いずれ環境に順応し、楽しいと感じることが起こるでしょう。時おり、幸せになるための条件や基準が示され、それを目にすると、とても悲観的な気持ちになることがありますが、大切なのはそのような情報に踊らされないことです。近年、国民総幸福量を尊重する国としてブータンが話題になっていますが、日本にいても、どこの国にいても幸せを感じることはできるのです。

最後に、幸福に関するステレオタイプをもう一つ、
「成功することが大きな幸福をもたらす」
こちらも、より正しく言うならば「幸福だと感じている人が成功する」となります(これをハピネス・アドバンテッジといいます)。今回の特集には、「幸福」に関するこれまでとは異なる視点や考えを示しています。それが皆様の幸福、および結果として訪れる成功に貢献できたらうれしい限りです。 (岩崎 卓也)
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知識労働の改善が、なぜ求められるのか

80年代、日本の製造業が世界の舞台で活躍した要因は複数ありますが、中でもトヨタ生産方式の導入をはじめとする業務改善のアプローチが、日本企業の生産性を向上させ、圧倒的な強みをもたらしました。ところが、最近では、新興国の躍進により、このような製造部門におけるコストダウンや品質向上を中心とした取り組みだけでは太刀打ちできず、新たな方向性が求められるようになりました。

この流れを受けて、企業の中には、これまで「手つかず」だった知識労働(研究・開発など)での革新が必要だと考えるところも出てきています。しかしながら、知識労働は専門的な知識を要するものであり、個々の場面では高度な判断力を求められるものです。判断基準一つをとってみても、それは一人ひとりの頭の中に入っており、誰でもが見える形にしてムダを排除するのは、無理があると考えられてきました。

一見、この考えは正しいようにも見えますが、実はそうではありません。ここ数年の間、世界全体でみれば、製品開発や医療、ITなどの分野で、少しずつではありますが、トヨタ生産方式の導入に成功する企業が現れ、知識労働の改善は可能だということが証明されつつあります。今号の「トヨタ生産方式で知識労働を改善する」は、成功事例を交えながら、その導入の方法について論じています。自社にもっともふさわしいトヨタ生産方式を構築するには、どのようにして導入すればいいか。この論稿は次の6つの原則とそのポイントについて述べています。

原則1:「7つのムダ」をなくす
原則2:仕事を明文化する
原則3:コミュニケーションのしくみをつくる
原則4:担当者みずから迅速に問題に対処する
原則5:斬新的に進歩していく計画を立てる
原則6:マネジャーを巻き込む

導入にあたり、重要なポイントはたくさんありますが、その一つを挙げるならば、それは暗黙知を明文化することです。もともと、トヨタ生産方式には、A3報告書(知識をA3一枚の紙にまとめる手法)など、情報やノウハウを共有するツールがあります。このような考え方は知識労働にも応用でき、意外にも私たちが暗黙知と考えている知識の中には、明文化できるものがたくさんあることに気づかされます。

そして、導入を成功させるために何より大切なのは「ムダに気づくこと」です。日本には多種多様な産業があり、ムダに対する感度は業界や企業によって異なります。ただし、製造現場に比べて、知識労働は目に見えないものが多く、そのためムダも埋もれて見えにくくなっています。一つ言えることは、トヨタ生産方式を必要としている企業に限って、自社のムダに気づかない傾向が強いということです。

「なぜ、この会議に出席しているのか」
「なぜ、この報告書を作成しているのか」
考えたことがあるでしょうか。あるいは、ここ3カ月もの間、作業の手戻り(やり直し)があったならば、その原因を思い浮かべてみてください。それは、事前に情報共有しておくなど、ちょっとした仕組みの改善で避けられたことではないでしょうか。

実は、このようなムダに気づかずに、過ごしているマネジャーは(産業によりばらつきがありますが)珍しくありません。この論稿は自身の仕事を眺める機会にもなります。そうすることで、仕事の進め方をよりよくするための要素がたくさんあることに気づくに違いありません。自分の仕事に、ムダがあるはずない。そう考えていた方に、ぜひこの論稿の効用を味わっていただきたいと思います。(編集部)
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▽『DHBR』では、2010年1月号でトヨタ生産方式を特集しています。「特集:『大野耐一』論 ものづくりの原点」の詳細とご購入はこちら

上司のいない会社

世の中には、実際に目で見たり、手で触ったりしないと、なかなか想像できないものがあります。今号の「マネジャーをつくらない会社」では、現代に生きる私たちにとって、もっとも想像しにくいものとして、事業部長、部長、課長と、上司が一人もいない企業を掲げています。たしかに、このようなオフィスで働く人たちの姿を想像しようとすると、次々と疑問が湧き、正しく思い描けない部分が生じます。その一方で、マネジャーをつくらない会社が実現すれば、マネジャーの報酬分の人件費を低く抑えることができますし、組織の階層が平らな分だけ意思決定が速くなり、多くのメリットを企業にもたらします。


株式市場の意義は何ですか

実は、この想像を超える夢のようなマネジメント・モデルを実現している会社がアメリカにあります。それを示したのはゲイリー・ハメル、ロンドン・ビジネス・スクール客員教授です(彼は『コア・コンピタンス経営』の共著者であり、コンサルタントとしても知られています)。ハメルが取り扱ったのはモーニング・スターという、ピザソース、ケチャップの材料となるトマトの加工やトマト缶詰の製造、販売の会社です。論文によると、この会社は世界最大のトマト加工業者で、この10年間は取引量、年商、利益とも二桁増を続けているといいます。

この会社には上司も部下もいないので、従業員の肩書も昇進もありません。くわえて、稟議書もないので、業務でパソコンが必要になったときは、個々の裁量で購入を決めます。このように説明すると、そんな会社で経営が成り立つのだろうかと次のような疑問が湧くのではないでしょうか。

・一人ひとりが担う仕事の役割は誰がどう決めるのか
・昇進がないのに、なぜモチベーションが下がらないのか
・支出が増えていき、利益を圧迫しないのか。二桁増益できるのはなぜか

結論を言えば、このモーニング・スターは組織や仕事の進め方に独自のルールやしくみを設けることで、この夢のような会社を実現させています。たとえば、個々が担う仕事は従業員同士の合意(CLOU:クルー)で形成する、収支をはじめとするデータを従業員に公表し、互いに注意を払う仕組みになっているなど、論稿では対立の仲裁方法まで、細かく説明しています。

詳細は本誌をご確認いただくとして、今回このブログでは、先に掲げた疑問のうち、
「昇進がないのに、なぜモチベーションが下がらないのか」について触れてみたいと思います。

昇進がなくても、人は一生懸命働くものなのか。結論を言えば、働くための目的を「昇進」に置かなければ、モチベーションが下がらずにすむことをモーニング・スターは示しています。要するに、昇進による増収や地位の向上を働く上での目的に置くからから、昇進がないと従業員のモチベーションが下がります。では、昇進ではなく、何をモチベーションの源にしているのでしょうか。

従業員が求めるのは、大きなポストに就くことよりも、他者に貢献し、結果大きな責任を担う立場になることです。肩書や地位を求めるために働くのではなく、他の従業員に実力を認められ、高い評判を得る、そして影響力を持つことのほうが価値ある、とこの会社の従業員は考えます。このような人間の根源にある願望に原点を置き、従業員の意識づけを進めていくことで、モーニング・スターのような企業が生まれます。

今回、著者のゲイリー・ハメルが示したイノベーションともいえるマネジメント・モデルは簡単に実現できるものではありませんし、論稿のなかで示されているように短所もあります。ただし、それを上回る、ユニークな視点がこの論文には満載されており、組織改革を模索している方にとって興味深い論文だといえます。(編集部)
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顧客を取り込むイノベーション

スマートTV、スマートカー、スマートハウス。
これら新しい製品は、私たちの生活を一変させる画期的な商品として注目を集めています。ただし、商品がいくら画期的であっても、新市場が生まれ、巨大な利益をもたらすまでに成長するかどうかは別の話です。期待をかけられた商品がいつの間にか忘れ去られてしまうことは珍しくありません。

新しい市場を生み出す商品と、消え去る商品の違いはどこにあるのでしょうか。そして、いま世に出ようとしている自社の製品が多くの人の手にとってもらえる商品になるにはどのようなことが有効なのでしょう。残念なことに、この疑問への確固たる答えはありません。ただし、成功を阻害する要素ならば、いくつかわかっています。

次号の「集合知のイノベーション」に登場するのは、ボストン・サイエンティフィックという医療機器メーカーです。創業以来、身体に傷をつける度合いの低い「インターベンション(低侵襲治療法)」の普及に努めてきました。この論稿は、ボストン・サイエンティフィックの名誉会長であるジョン・エイブリー氏がHBR誌に寄稿したもので、心臓手術などにおけるイノベーティブな医療器具や手技(医療産業における画期的な技術)が普及していく過程を紹介しています。

この論稿が焦点をあてているのは、新しい技術に対するその阻害要因、「権威者からの攻撃」にどう対処するかということが一つとしてあります。
「あるグループが新しい解決策を求めてコラボレーションしようとする時には、きまって従来の手法に投資してきた、より大きな別のグループが存在するものである」
新しい技術に対して、これまでの技術で権威者とされている人たちが強い抵抗を示すことは少なくありません。その力に製品が潰され消えゆくわけです。

この論稿で取り上げるイノベーション、バルーン・カテーテルも、権威者からの攻撃を受ける可能性の高い医療器具でした。これは先端部がソーセージ状になっているチューブで、この「インターベンション(低侵襲治療法)」の新しい技術が広まると、従来の外科(切開を伴う手術)が得意な医師は、その職を奪われてしまうことになります。

実は、このバルーン・カテーテルが開発されたのと同時期、別の医師が同じようなカテーテルを開発しています。でも、こちらはそれほど普及しませんでした。その違いは何か。もちろん技術の質の違いもありますが、もっとも大きな相違点は「権威者からの攻撃」にどう対処したかということです。

成功するためには、権威者をどう取り込むかといったことが重要になってきます。そこで、この論稿が提示するのが、コラボレーションを上手に活用することです。バルーン・カテーテルでは、顧客である医師のコミュニティをつくり、開発や普及を進めました。データを惜しみなく提供するなど、さまざまなコミュニケーションを通して、外科医と協力する形をつくりあげていったのです。また、この論稿では、IT技術を活用してリアルタイムで手術を実況中継し、周囲の人たちとやり取りしながら知恵を結集させるような取り組みも紹介しています。

ただし、コミュニティをつくれば誰でも成功するわけではありません。そこに欠かせないものとして、リーダーシップが必要になります。
リーダーの特徴として、手柄を一人占めしない、互いに学び合う、みんなを束ねるといったことがこの事例では詳細に紹介されています。この論稿を読むと、画期的な技術が広く普及するには、リーダーシップの大切さがわかります。形ばかりのコミュニティを立ち上げるだけでなく、それを支え、けん引できる人がいるかどうか、これが成否を分けるのです。

いま、あなたが世に送り出そうとしている商品に注目してみてください。そこには、普及につながるリーダーシップを発揮できる人がいらっしゃいますか。(編集部)
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(追記)
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生産性とマルチタスク

昔から、一つの仕事に集中するのは素晴らしいことで、その姿は美しくもあると考えられてきました。要するに、人間はシングルタスクで仕事すべきで、そのほうが労働者の集中が高まり、ひいては生産性も高まるという考えがあります。本当にそうでしょうか。


シングルタスクか、マルチタスクか。優劣を論じる前に、まずは私たちのまわりを見渡してみましょう。近年、職場の多くでは、パソコンが常設され、メールやニュース、職場によってはフェイスブックやツイッターなどと、集中が途切れる要素であふれかえっています。そして、私たちはこれら要素に邪魔され、一つの仕事に集中したくとも、できる環境にないのが現状です。今回紹介する「マルチ・インスパイアリング」によると、現代の労働者は平均3分に一回、別の仕事に移っているそうです。

仕事に集中することがよいことだと考える人にとって、労働者がシングルタスクになれるよう、どう職場を改善したらいいのか、重要な課題でもあります。そのなか、この論稿が興味深いのは、この注意散漫な状況を改善するのではなく、むしろその事実を受け入れ活用しようと言っている点にあります。著者によると、そもそも人間の脳はマルチタスクができるようになっているといいます。したがって、人間にとって適しているのは、一つの仕事に集中するシングルタスクではなく、マルチタスクのほうだということになります(詳細は本誌をご覧ください)。

私はかねてから生産性をあげるには、マルチタスクのほうがよいと考えていました。ところが、行動学者によってはシングルタスクのほうが生産性は高まると主張する人もいらっしゃいます。前にこちらのブログでも、このような説のデータには数字の罠があることをお伝えしましたが、依然マルチタスクに対して否定的な見方は根強くあります。そんななか、この論稿を読むと、やはりマルチタスク否定論は誤りだということがわかります。

とはいえ、マルチタスクで仕事をしても、結局生産性が低ければ意味がありません。難しいのは、生産性を向上させようとすると、そこには品質(Quality)と納期(Delivery/Time)、コスト(Cost)のトレードオフの壁があり、労働者はこれをどのようにして越えていくかということに頭を悩まされます。扱う製品にもよりますが、納期を気にするあまり品質の悪いものを平気で垂れ流すような仕事をしていたら、当然ですが好業績は長続きしません。

他方、品質にこだわるあまり、検図が完了するまでに膨大な時間がかかり、なかなか図面が出てこないマネジャーのもとではプロジェクトの進捗に遅れが生じます。このような組織では、メンバーや関係者のテンションが下がり、成功は遠ざかります(「進捗の法則」DHBR2012年2月号参照)。要するに、重要なのは、マルチかシングルかといった議論を通して部分最適を図ることではなく、全体最適であり、生産性をあげることに目的を置くことです。その一手段としてマルチタスクが有効なのではないでしょうか。(この前提のもと今回の論稿を読むと、論稿の効用がより大きくなるようにも思えます)

実は、この「マルチ・インスパイアリング」は、次号の「『自主性』と『創造性』を引き出すスキル」という3部構成の論稿のなかの一つであります。3つの論稿とも、現代社会のなかでビジネス・パーソンに求められるスキルをそれぞれ示したもので、その一つがこの「マルチ・インスパイアリング」というスキルになります。

残りのスキルのうち一つは、「文化コードの変換」(CCS:cultural code-switching)というスキルで、インドなどの異なる文化圏で状況に応じて行動を修正する、いわば「郷に入っては郷に従え」ができる能力について論じています。そして、もう一つは、「バーチャル人脈活用術」で、ソーシャル・ネットワークを活用して、ネット上で有益な人脈をつくる能力について触れています。今の時代に求められるスキルとは何かを知っておくことは、この困難な時代を乗り越える上で参考になるのではないかと思います。(岩崎 卓也)
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企業活動と環境破壊、そして「サステナビリティ3.0」

「道徳的目的」と「経済的目的」、
「社会価値」と「経済価値」、
「社会目的」と「経済価値」、
私たちは、事業の目的や事業によって創出される価値に目を向けると、これら相対する二つの事項について、どちらを優先すべきか選択しなければならない場面に遭遇することがあります。そのなか、このブログでも紹介した「グレート・カンパニーの経営論」「インフォシス:尊敬される企業を目指して」などの今号の論文を読むと、特集のタイトルにある言葉「チェンジ」が示すように、これからはこの二律背反が同時に実現する時代になることが読みとれます。

もちろん、これまでにも企業は「企業活動」と「地球環境」の共生という、二律背反の解消に向けて取り組んできた部分もあります。ただ、これらは志高い消費者に向けた商品の開発など、どこか道徳心に訴えるものであったり、環境負荷低減を怠ったため被るリスクを低減するといった防衛的なものや、節電などによる目先の経費節減といったオペレーション上の関心ごとといった消極的な面がありました。

今号の「サステナビリティ3.0」では、そこから一歩前に進んで、「利益を生みだす」と「環境負荷を低減する」という二つの相反する目標を同時に実現させることは企業にとって必然である(もはやトレードオフではない)と主張しています。旧来の環境への取り組みを「サステナビリティ2.0」とするならば、この古い時代は終わり、いまは「3.0」に進化するときを迎えたといいます。では、「サステナビリティ3.0」とは何か。解説したのがこの論文です。

ところで、地球環境に目を向けてみると、地球には自然資源(森林、河川、湿原など)が豊富にありますが、これらの価値はいくらになるでしょうか。また、昆虫が行なう受粉はどのくらいの金額に相当する価値があるでしょうか。本稿が興味深いのは、このようなプライスレスで数値化しにくい事項について、あえて経済価値を算出しようと試みています。ちなみに、世界銀行は自然資源を44兆ドルと評価し、国連環境プログラムは昆虫が受粉するサービスの価値は年間2000億ドルと推測しています。

この価値は単に「すごく高い金額」では終わりません。たとえば環境破壊によって昆虫が死滅して受粉がおこなわれなくなると、2000億ドルのサービスが消滅したことになります。いま企業では、工場の製品原価を計算するときに、環境破壊による悪影響など、外部化されたコストは算入せずに計算しています。しかし、外部化されたコストが全部でいくらになるのか、計算が成り立つとなると、企業は外部化していた(企業が負担する必要はないと考えられていた)コストを定量化し、内部化する(企業に割り振る)道が開かれるかもしれません。そのほか本稿では環境に関する「見える化」として、VCI(バリューチェーン指標)といった指標が紹介されています。

これまでも、企業は管理会計のレベルで、環境負荷低減にかかったコストを定量化し記録はしてきましたが、外部化された環境関連コストを見える形にする活動はほとんどありませんでした。少なくとも、このような隠れたコストが透明化されると、消費者や投資家は製品の価格だけでなく、その商品を生みだすために与えた外部への環境破壊の影響まで数字で知ることになります。それがこの先、消費者や投資家がその企業に「お金を出すかどうか」の判断基準に大きな影響を与える可能性があることを、本稿から読みとることができます。

「サステナビリティ3.0」は、これまでの環境活動のように「志高くなりなさい」と説いて企業に負担を強いるのではなく、市場原理に基づいて消費者や投資家に起こり得る変化を解説しているところが興味深いといえます。経営者として、この環境への取り組みの新しい流れを知っておくことは、今後、変化が起こったときに備えるという意味で重要だと感じさせられます。(編集部)
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